京都が好き。いつかこの街で、あるいは住み慣れたこの街で、自分の理想の暮らしをしてみたい。そう思ったとき、どんな住まいがいいのでしょうか。
昔から誰かが大切に暮らしてきたマンション。このコラムではそんな京都のヴィンテージマンションに惹かれる理由を紐解いていきます。
好きな京都の風景の中に、自分の帰る場所ができる

京都の暮らしではどんな風景が思い浮かぶでしょう。寺社仏閣だけでなく、四季折々の豊かな緑、低層の建物が並ぶ落ち着いた街並み、趣のある商店街、瓦屋根のある通りや、御苑のそばの静けさ。人によって大切にしたい風景はまちまちですよね。
京都というと築100年を超える京町家にフォーカスされがちですが、モダンなマンションも京都の街の風景のひとつ。タイルの色やバルコニーの形、建物のまわりに残された余白。一棟ごとのつくりにも惹かれてしまいます。
たとえば、神宮道沿いのポルト・ド・岡崎。瓦屋根をあしらい、横にゆったりと広がる5階建ての佇まいが印象的です。美術館や疏水のある岡崎で、この建物へ帰ってくる暮らしを思い浮かべてしまいます。
建物の外観が好きなのはもちろん、周りの街並みと一緒に眺めたときの姿にも惹かれます。家へ向かう道を歩き、その入口から帰る。そのたびに、京都を好きな気持ちと、自分の住まいへの愛着がつながっていきます。


大切に思う京都の、その続きを暮らす


誰かが長年、大切に暮らしてきた。それだけで、その住まいに惹かれることもあります。特別な逸話がなくても、気に入った建物に出会い、「次は自分がここで暮らしたい」そう思えたら、それは十分な理由になりますね。
個人的には最初からピカピカに整った住まいもいいけれど、少しずつ自分好みに手を加えていく楽しさもあると感じています。気に入った建具は残し、壁の色を変え、自分の家具や照明を合わせてみる。古さをすべて消すのではなく、好きなところを生かしながら、今の暮らしに合う部屋に整えていく。新築信仰が厚い日本ですが、古都京都ぐらい、ヨーロッパのように古いものを大切に使う暮らしを楽しんでも良いのではないかと考えます。
自分より前にここで暮らした人がいて、これからは自分の好みや思い出も、この家に重なっていく。
長く大切にされてきた京都で、自分も気に入った住まいを大切にして暮らす。そうして過ごす日々もまた、この街で続いてきた暮らしの一部になっていく。
京都のヴィンテージマンションの中に、自分が暮らしを受け継ぎたくなる一棟が見つかるかもしれません。

